旧姓横島・極楽大作戦!!
一話


「もう遠慮は無用ね!」

 ばっ!!

 今まで着ていた変装用の衣装(ミカ・レイ)を脱ぎ、本来の姿(美神令子)に戻る。

「このGS美神令子が・・・・極楽へ行かせてあげるわっ!!」

 神通棍を構える美神。

「おたくにばっかり、おいしいとこもってかせないわよ、令子!!」

 美神にとっては犬猿の仲、呪術専門のGS小笠原エミはブーメランを構える。

「ビカラちゃん〜!!
 あいつをおさえつけて〜〜!!」

 式神使いの六道冥子は、自分の式神1つであるビカラを出す。

「ワシもやるときゃやるケンノーー!!」

 タイガー寅吉は、虎に変身する。

「じゃ、我々は応援するとゆーことで」

「はーい♪」

 戦闘非参加者の横島忠夫、幽霊のキヌ。

「くらいなさい!!」

「エミさん、ワシも一緒に!!」

 エミはブーメラン、タイガーは心理攻撃で同時に攻撃をしかける。

「フン!」

 勘九朗はブーメランを軽く掴みとり。

「ゲ!?
 な・・・なに!?
 こいつの霊力強すぎない!?」

「ワッシの心理攻撃も届かんですケーーーー!」

 タイガーの心理攻撃は、無視されていた。

「やっておしまい〜〜〜〜〜〜!!」

 ビカラは冥子の指示で攻撃を開始する。

「ブギャーーツ!!」

「目ざわりよ、虫ケラがっ!!」

 体当たりをするが、全く効果はなく逆に剣の柄で叩き伏せられる。

「きゃ・・・!?」

 式神に与えられたダメージは術者に返ったようで、ビカラと同じ部分、頭部に衝撃が走る。

「気をつけて!
 私たちとはまるで力の質が違うわ!
 普通のGSは妖怪や悪霊と戦うための力を使うけど・・・こいつの力は霊力を使う人間に最も効果的に作用するわ!
 こいつら多分、GSを倒す為に修行をつんでる・・・・!!
 ゴーストスイーパー・バスターってわけね!?」

「それじゃ、とーすんのよ!?」

 美神の言葉に反応するエミ。

「まともにやりあったら不利だわ!
 こーなったら冥子のプッツンでーー!」

 普段なら絶対に遠慮しておきたい冥子の最終兵器、本人のみ安全な迷惑極まりない攻撃なのだ。

「冥子さん起きてーーっ!!」

「さっきのダメージで気ィ失っちゃってますけど・・・!!」

 美神の作戦?は僅か数秒で終ってしまった。

「このムスメは肝心な時になるといつもいつもいつも・・・・・・・・・・・・っ!!
 起きんかあああ〜〜〜っ!!」

 力任せに冥子の頭を前後に振るがいっこうに起きる気配はない。
 鞭打ち症にならないか心配だ。

「美神さん、危ないっ!!」

 斬!!

 勘九朗の斬撃から自力で回避する事が不可能な冥子(気絶中)は、美神とおキヌ2人で運び、タイガーとエミは自力で回避し、横島は回避というより逃走といった方が似合っていた。

「グガァァァァァ!!」

 美神に個人を狙って執拗に攻撃を続ける。
 冥子はおキヌが安全な場所に運んでおり、美神は、避け、又は受け流し、何とか勘九朗の猛攻を凌いでいる。

「美神さんが押されている・・・・!!
 エミさん!?」

「手が出せないわ!
 シャクにさわるけど令子にまかせるほかない・・・!」

 横島がエミに美神への援護を求めるが一蹴される。

「黒魔術は遠隔攻撃を主とした術だから、正面から戦うと威力が半減するワケ!
 アンチGS能力を持つ敵には中途半端な手出ししても役に立たないのよ!
 ピートはリタイヤ、唐巣のおっさんは動けない・・・・会場のザコじゃはなしにならないわ!」

 横島に軽く説明をし、この状況を覆す事の出来る人物の元に駆け寄る。

「とーゆうわけで、起きんか冥子ーーッ!!
 鬼を使うおたくなら、ちょっとはマシなのよーー!!」

 先程の美神と同じように、冥子の頭を激しく振る。

「むにゃむにゃ令子ちゃん〜、冥子おなかいっぱい〜」

 寝た子は起きなかった・・・・。

「きゃっ!!」

 勘九朗の猛攻に耐え切れず、突き飛ばされる。

「美神さんーー!!」

 ヴヴヴヴヴヴヴヴヴッ!!

「えっ・・・・・!
 霊力のタテが出た・・・!?」

 美神を助けたい横島の思いに答えたのかどうかわからないが、伊達雪之丞との戦いで使用していた霊力の盾―サイキック・ソーサー―が出現した。

「いけるかも・・・・!!
 そいつは破壊力だけなら、ちょっとしたもんだわ!」

 いけるっ!!と、エミは思ったのだが

「ま、当たればの話だけど」

 と、使い手が横島なので微妙な感想をもらした。

「・・・・・・・・」

 横島も自分の事をよく理解しているらしく、沈黙を保っている。

「そろそろ殺してあげるわ、美神令子!」

「く・・・!!」

「死ねェェェェェェーーッ!!」

 美神は神通棍で体を支えており、勘九朗の攻撃を避ける事が出来ない。

「美神さぁぁぁぁん!!」

 美神を助ける為、勘九朗に向ってサイキック・ソーサーを投げた。

 ビシュッ!!

「いきなりばずれた・・・・!」

「「・・・・・・・」」

 横島の投げたソーサーは、勘九朗の目の前を通っていった。
 おキヌとタイガーの言葉は無い。
 ただし、外れたソーサーがメドーサに向っていった事は誰も気がついてはいなかった。
 しかし、その偶然で小竜姫が助かった事になる。

「ザコが・・・!!」

「ひっ!!」

 ソーサーが外れたとは言え、美神を殺し損ねたのは事実。
 先に邪魔者を殺す事にしたのか、目標を美神から横島へと変更する。

「「横島クン(さん)危ないっ!!」」

 美神とおキヌが叫ぶ。
 美神は動けない、エミは冥子を起こそうと躍起になっている。
 おキヌとタイガーは横島の近くにいるのだが、助ける事ができない。
 唐巣と小竜姫は、メドーサと対峙している。
 誰一人として、横島を助ける事ができ者が存在しない。

(うわわーーーーっ!!
 これはヤバイ、美神さん達は助けに来てくれそうもない。
 俺が何をした!!
 一度だってイケイケでムチムチのアハァ〜ン風?なお姉様達と甘い時間を過ごしてないのに、この仕打ちは酷いんじゃないか!!
 今回は我侭は言いません、イケイケやムチムチじゃなくてもイイです、我慢します。
 とりあえず、年下の美少女でも構いません!!
 だから、誰か助けてぇぇぇぇ!!!!)

 当の本人は不謹慎な事を考えているのだが、今回ばかりはヤバイみたいだ。
 微妙にロリな発言も混じってるし。

「死ねぇぇぇ!!」

 斬!!

「「横島クン!!」」

 美神とエミが

「「横島さん!!」」

 おキヌとタイガーも

「俺はまだ死にたくないんじゃぁぁぁぁぁぁ!!」

 ついでに横島も叫ぶのだが、回避行動をとらず、叫んでいるだけだった。

(終わり・・・・終わりなのか?
 GS美神極楽大作戦!!の主人公は俺じゃなかったのか?
 題名には美神って書いてあるが、主人公は大体不死身っぽい設定だから実は俺だろ。
 もしかして、連載打ち切りか・・・・・・・・・・打ち切りは嫌じゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!!
 美神さんや、エミさん、冥子ちゃんにおキヌちゃん―省略―近所の姉ちゃん達の誰ともヤって無いのに・・・・・・せめてイッパツ位はさせてくれぇぇぇぇ!!)

 叫ぶ横島だが、頭の中ではヤバイ事を考えていた。
 前半は作者様に対して、後半は少年誌として・・・・・・とりあえず、ごめんなさい。

 カッ!!

「くっ!!」

 ブゥゥゥゥン

 横島と勘九朗の間で光が発生し、必殺の斬撃は外れてしまった。
 横島は何とか腕で光を遮ったのだが、勘九朗は直接光を浴びてしまい、目を抑えている。

「た、助かったのか・・・・・・・俺は?」

 いまだ光はおさまっていないが、横島の目には複数の人影が見えた。

 キュピーン!!

 某赤っぽいMSを操る大佐殿は言った「ニュータイプとは、普通の人より勘が優れているだけだ」と。
 その時の横島は、まさにニュータイプと言っても過言ではない。
 目の前に現れた人影は、敵か味方かもわからず、何より人か人外(見た目が人型)かもわかっておらず、声すらも聞いてはいない。
 そのような状況で横島は

「美少女や!!
 あの美少女は俺のだ!!」

 と、目の前の勘九朗の事すら忘れ、勘で現れた内の一つに襲いかかる。
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