旧姓横島・極楽大作戦!!
二話


 ドカッ!!

「ぶはっ・・・・・」

 襲いかかった横島は逆に吹き飛ばされたらしい。
 何をされたかわからないが、約10mは飛んだ。

「・・・・・こんな時にあの馬鹿は」

「・・・・・私には襲いかかってくれないくせに」

 小声で呟く。
 上が美神、下がおキヌだ。

「いってぇぇぇぇぇぇ!!」

 即座に復活を果たす。

「・・・・・相変わらず不死身ですね」

 やっとの事で光が治まると、男が1人、女の子が2人存在していた。
 光が発生する前には、確実にいなかったハズだ。
 何故なら、男の格好が・・・・・微妙に変だからだ。
 簡単に説明すると、マントを外した黒アキト。
 女の子は、2人とも動きやすそうな服装だった。(此方は普通の服)
 ただし、男が邪魔で余り見えない。(横島談)

「勘九朗、アレを!!」

 小竜姫達の注意が僅かにそれ、好機と思ったのか、メドーサが勘九朗に命令を下す。

「・・・・・わかりました」

 勘九朗が手を振り上げる。

 !!!!

「みんなここから離れて!!
 早く!!」

「えっ」

 美神が周囲のメンバーに警告するが、意味がわからず行動を起こしていない。
 勘九朗が何をしたのか美神以外のメンバーは、その身をもって知る事になるった。

 ドシュッ!!

 勘九朗が跳躍したと同時に、地面から数枚の黒っぽい板が生えてくる。

「か、火角結界!!
 それもでかい・・・!!」

「閉じ込められた!?」

 エミが板の正体を言い当て、横島は閉じ込められた事実に驚く。

「決着つけられなくて残念だわ!
 生きてそこを出ることができたならまた会いましょう・・・・」

 魔装術を解く勘九朗。

「ち、ちくちょう!」

「だーっ!!
 カウントダウンしはじめたぁぁぁ!!」

 ピッ

「あと30秒で爆発するっスよーーっ!!」

 流石の横島も、謎の3人組(特に女の子2人)の事を忘れ、慌てる。

「全員で霊波をぶつけるんだ!
 霊圧をかけてカウントダウンを遅らせる!!」

 火角結界の外側まで走ってきた唐巣は美神たちに呼びかける。

「んにゃろぉぉぉぉ!!」

「あんまり遅くならない〜〜っ!!」

 冥子のもらした言葉通り、カウントダウンの速度は殆ど変化が無い。

「全員手を貸せっ!!
 霊力が足りないっ!!」

「だめだっ!!
 結界が強力すぎて破る事も止める事もできんっ!!」

 会場内に残っていた霊能力者全てが、火角結界に対して霊波をぶつけるのだが変化は無い。

「あーっははははははははーーっ!!
 どうする小竜姫?
 ここでお前が取れる行動は2つある」

 小竜姫と対峙していたメドーサが美神達にも聞こえる声で小竜姫に問いただす。
 現在、火角結界の数字は十八。

「一つ、火角結界を無視して私たちと戦う。
 まあ、あんたに負ける程呆けちゃいないけどね。
 二つ、先ほども言ったけど、私に殺されなさい。
 代わりに火角結界を解いてあげるわよ、いい条件でしょ。
 ああ、カウントをあなたが止めるってのは無いわよ。
 その時は、後ろから殺してあげる」

 ニヤリ

 軽く全体を眺め、小竜姫の答えを待つ。

「くっ・・・・卑怯な!!」

 美神たちの様子を確認し、メドーサを睨みつける。

「さあ、何番を選ぶ?」

 火角結界に霊波をぶつけている人達は、作業をやめず、メドーサと小竜姫のやりとりを眺めている。
 結界の数字は一二。

(私が犠牲になれば美神さん達は助かる・・・・・)

「二、二ば―」

「―どちらも選ばない」

 !!!!

 黒アキトっぽい服を着た男が、黒い刀を背後からメドーサの首にあてていた。

「な!!
 お前は結界内にいたはず」

「それはお前には関係ない話だ。
 で、退くのか?死ぬのか?
 退くのなら見逃してやる。
 死にたいなら殺してやる」

 一気に形勢が逆転したが、火角結界のカウントは六をきってしまった。

「結界の方は如何するんだい?」

 首に当てられた刀が、例えメドーサを殺す事が出来る物であろうとも、男の気配は人間のもの、結界を如何にかしない限りこの男は死ぬしかないのだ。
 それを理解しているメドーサは慌てず、相手に聞き返す。
 例え男が斬りかかっても致命傷にならなければ此方の勝ちなのだ。

「もちろん・・・・・・小竜姫、カウントを止めろ」

「えっ・・・・・あ、はい!!」

「くっ・・・・」

 男に言われるまま、火角結界に霊波をぶつける。
 メドーサの注意が男に向き、小竜姫は自由になっていた。
 美神達と小竜姫では力が違い、全く止まる気配が無かったカウントが止まっている。
 残りカウントは二だ。

「退くか、死ぬか、早く選べ」

 カウントが止まり、改めて問いかける。

「ちぃ!!
 今日の所は退いてやるよ!!
 勘九朗、撤退だ!!」

 ドカッ!!

 天井を破壊して撤退する。
 わざわざ壊さなくても何ヶ所か窓が開いてるのに・・・・・。

「やはり退くか・・・・・」

 男はメドーサの撤退は予想通りらしく、ただ確認の為に呟いただけであった。
 刀身とは全く逆の色、白い鞘に黒い刀を仕まう。

「美神さん、右側の結界板の中央に神通棍フルパワーの攻撃を・・・・・!!
 急いで!!」

 男が何者であるのか尋ねたいのだが、現在は火角結界を潰すのが先だ。
 結界を壊す為の指示を美神にだすのだが・・・・

「蛍、ひのめ、お前達で破壊しろ!!」

「「は〜い♪」」

 ドォォォォォォォォォォォン!!!!!!!

 美神が行動を起こす前に、小竜姫の後ろから男が声をあげ、それに答えるかのように蛍とひのめ、2人の少女が結界を破壊する。

「「なっ!!」」

「おおっ!!」

 美神達、結界内にいた人達は2人の少女達の力に驚き、横島は違う事で驚いていた。

(何となく美少女だとは思っていたが、これほどとは・・・・・じゅるり。
 背の高い方は俺と同じくらいの年齢だろう、少し美神さんに似ている気がするが・・・・・残念だ、胸は全く似てなかった。
 背の低い方は2〜3つ程年下かな、誰かに似てるような気がするが、誰だったかな、よくみかける顔だと思うんだが・・・・・・・・う〜ん。
 此方の胸は悲しい位にまっ平・・・・中学生っぽいしこれからの成長に期待して・・・OKだよね?)

「とぉぉぉぉぉう!!」

 横島には、蛍、ひのめと呼ばれた少女しか見えてなかった。

「ぼ、僕、横島忠夫っていいます!!
 ずっと前から愛してましたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 声にエコーをかけ、再度跳びかかる。

「ぎぶみぃぃぃらぁぁぁぁぁぶ!!」

「俺の娘に触るな!!」

 ドカッ!!

「ぶはっ・・・・」

「「えっ!!」」

 小竜姫の後ろにいた男が、少女達を庇うような位置に現れ、回し蹴りをはなっていた。
 横島は約10mは飛び・・・・・?
 多分、前回横島が飛んだ現象は、今回と同じ内容であろう。

「横島さん!!」

 墜落した横島におキヌが駆け寄る。

「学習能力は・・・・・ないか、横島クンだし」

 メドーサを退けた男、火角結界を破壊する力を持つ少女達に警戒していたのだが、横島の行動により僅かにだが余裕が出てきた。

「大丈夫か?」

 横島を蹴りつけた男は無防備な背中を美神達に向けつつ襲われそうになった少女達の安否を気づかう。

「大丈夫だよパパ(はあと)」

「お兄ちゃんが守ってくれたからね(はあと)」

 どうやら背の低い方は男の娘で、背の高い方からは兄と呼ばれる間柄らしい。

「でもいいの?
 アレ」

 と、背の高い方の少女が横島を指す。

「痛そうだよ」

 背の低い少女も横島を気づかっている。

「ところで、最近の神族は人の背後に立つ時に剣をむけるのが礼儀なのか?」

 !!!!

 男の後ろには小竜姫が神剣を携えていた。

「あなた達は一体何者ですか?
 答えなさい!!」

「何者って言ってもなぁ」

「そうだね〜」

「何者でしょう?」

 質問の答えは返ってこなかった。

「ふざけないで下さい!!」

「その質問には答えてもいいが、美神令子の関係者以外は遠慮してもらうぞ」

「美神さん?
 何故です!?」

「美神令子達に関係し、それ以外の者には関係無いからだ」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・わかりました。
 では、場所を移動しましょう」
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