旧姓横島・極楽大作戦!!
九話


 コンコン・・・・

「鳥・・・・?」

 窓を見ると、数羽の鳥がガラスを叩いていた。

「ん?
 逃げないな・・・・」

「かわいい。
 れーこちゃんも来てごらん」

 バサッバサッバサッ!!

「!」

 れーこを呼びかけた途端、鳥が窓から離れていく。
 鳥が去った方を見ると、敷地ぎりぎりに、スーツを着た女性がいた。

「美人!!」

「ここに、ようがあるのでしょうか?」

 と、隣にいた横島の方を向くと誰もいない。

「?」

 もう一度、女性の方を向くと

「よ、横島さん!?」

 横島が女性の手を握っていた。
 たぶん、横島風?の自己紹介をしているのだろう。
 横島風?の自己紹介を受けた女性は、少しひいていた。

「・・・・・・・・」

 幽霊でも頭痛はするのか、頭を抑えていた。

「おきぬちゃん、どーしたの?」

「・・・・・・・何でもないのよ」

 まあ、問題はないだろう・・・・・たぶん。

「・・ヌちゃん!!」

「ん?」

「おキヌちゃん!!」

 どうやら、外にいる横島が何か叫んでいる。

 ガラッ!!

「はーい!!
 横島さん、如何したんですか?」

 窓を開け、横島に返事を返す。

「こっちのねーちゃんが、美神さんのいいつけでれーこちゃん預かるんだって!!
 れーこちゃんとしたに降りてきて!!」

「わかりました!!」

 れーこの方に向き。

「美神さんのいいつけですって、下に行きましょう」

「・・・・・・・」

 れーこは、女性をじっと見つめている。
 何か、確認したい事があるのだろうか。




「さあ、いらっしゃい」

「やだ!
 れーこ、いかない!!」

「美神さんのいいつけなのよ。
 さあ、こっちへ・・・・・」

 れーこは、女性を見つめたまま動こうとしない。

「なあ、あんた本当に、美神さんに頼まれたのか?
 ・・・・何となく信用できねーな」

 ・・・・・・・・

「だからこそ、二人っきりでゆっくり話し合おう!!
 事務所内でいいから!!
 その方が、お互いよく分かり合えると思うんだ!!
 B・・・・いや、A・・・までで良いから!!
 ね!!ね!!ねぇぇぇぇぇ!!」

 ルパン・ダーイブ!!(注・服は脱いでません)

「やかましいぃぃぃぃぃぃ!!!!」

 メキッ!!バキッ!!グチャ!!・・・・・・

「はぁー、はぁー、はぁー・・・・」

 横島を見事迎撃できた女性は、息を整えている。
 迎撃された横島は、血だらけになって地面に寝ている。

「と、いうことで、行きましょうね、れーこちゃん」

 ぞくっ!!

 れーこの霊感が、危険を訴えているのか、それとも、女性の勘なのか。
 目の前にいる女性から、嫌な感じがする。
 この女性は危険だと、れーこは確信した。

「れーこ行かない!!」

「わからない事言わないの。
 れーこちゃんは、いい子でしょ?」

「ベぇーッ!!」

 トコトコトコトコ・・・・・・・

「!!」

「あっ、れーこちゃん・・・・!!」

 女性から逃げるように走りだす。

「いい子だ!!
 結界の外に出てくれた・・・・」

 ニヤリ

「今、殺してあげるじゃん!!」

 バッ!!

 スーツが消え去り、代わりに天然?の翼が現れる。

「なっ!!」

「よっ、妖怪!?」

 何時の間にか復活していた横島とおキヌが、意外な事実に驚く!!

「フェザー・ブレット!!」

 ビュッ!!

 自分の羽根を投げる。

「!!」

 妖怪・・・・ハーピーの攻撃は何とか見えたのだが、体が反応できない。
 確実に当たると、誰もが思った。
 ・・・・・・いや、只一人だけ、違っていた。

「闇の刃!!」

 斬!!

「「「!!!!」」」

 六道の刀から放たれた、刀身と同じ色をした黒き刃、刀を振った軌跡から現れた、正に飛ぶ斬撃。
 それは、見事ハーピーの羽根を斬った。

「やれやれ・・・・・・。
 横島、れーこちゃんを守らなくてどうするんだ?
 美神さんから、お仕置きを受けたいのか?」

 六道は、れーこに歩み寄る。

「おにーちゃん(はあと)」

「「六道(さん)!!」」

 れーこを抱き上げ、軽く頭を撫でる。

「大丈夫だった?
 恐くなかった?
 怪我しなかった?」

 優しくれーこに問う。

「うん!!
 れーこ、つよいもん!!」

「いい子だ・・・・・」

 褒められたのが嬉しいのだろう、この様な状況下でも少々赤くなってたりする。

「ちぃ、次は外さないじゃん!!
 フェザー・ブレット!!」

 もう一度、れーこに向け、羽根を投げる。

 ビュッ!!

 キィィィィィィィィィッ!!!!

 ハーピーと六道の間に、一台の車が突っ込んできた。

 バシッ!!

「どーにか間に合ったようね!!」

「「美神さん!!」」

 ハーピーの羽根は、強化セラミックのボディー・アーマーを着込んだ美神の神通棍によって弾かれた。

「美神さん、もう少しでぶつかってましたよ・・・・」

「おねーちゃん、あぶない・・・」

 美神の車は、もう少しで六道&れーこ相手に人身事故を起こす所だった。
 例え起こしたとしても、如何にかして誤魔化すのだろうが・・・・・・。

「そんな事はどーでもいいのよ!!
 今は、ハーピーに集中しなさい!!」

 何とか話をそらそうとするのだが、れーこが死んでいたら如何したのだろうか?
 れーこが死ねば自分も死ぬ事はわかってるはずなのに・・・・・・。
 ま、怪我しなかったのだから良しとするか。

「もうどっちだって構うもんか!!
 美神令子を殺せりゃ、それでいいのさ!!
 今度は胸じゃなく、頭を吹きとばしてやるっ!!」

 新たに1枚の羽根を構えるが

「させるかっ!!」

 ガッ!!

 横島が、背後から組みつく。

「くっ・・・・・!!」

 組みつかれた事で動きが止まる。

「チャンス!!
 横島クン!!
 そのまま抑えといて!!」

 ブチッ!!

 首につけていた精霊石を取る。

「死ねぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」

 ボンッ!!

 精霊石をハーピーに投げ、爆発が起きる。
 無論、横島の犠牲付きだ・・・・・。

 バサッ!!

 煙の中からハーピーが飛び出してきた。
 多少ダメージは受けたらしく、少し焦げている。

「わぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 次に転がりながら、横島が出てきた。
 服は焦げているが、体には傷一つない・・・・・・・謎だ。

「ちょっと美神さん!!
 何するんですか!?」

 怒りだす横島、だが

「なんで生きてるのよ!!
 横島ぁぁぁぁ!!
 ちゃーんと抑えつけてたんでしょね?」

「んな無茶な・・・・!!」

 美神は、それ以上に怒っていた。
 ・・・・・・・駄目だろ?

「み、美神さん・・・・!?」

「お、おねーちゃん?」

「いや、あんたが悪いだろ」

 上から、おキヌ、れーこ、六道。

「あいつ・・・・本当に人間か?
 仲間を犠牲にするとは・・・・・・」

 上空に避難したハーピーは、美神の容赦無い攻撃に「実は魔族ではないのか?」と疑問をもち始めてしまった。
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