旧姓横島・極楽大作戦!!
十二話


「まずは、そいつをもらうで!!
 行きや、夜叉丸!!」

 ダダダダダッ・・・・・!!

 アンチラに向い駆け出す。

「シャァァァァ!!」

 ブォォォン!!

「えっ!!」

 アンチラの攻撃を飛ぶ事で回避し、そのまま攻撃にうつる。

 ドカッ!!

「グギャ!!」

「ああっ〜、アンチラ〜!!
 駄目よ〜そんなコと喧嘩しちゃ〜。
 怪我しちゃうわよ〜。
 お願い〜戻って〜!!」

 夜叉丸の攻撃で深手を負ったアンチラは、冥子の影へと戻ろうとするが

「力を失って影の中に戻る瞬間・・・・・式神使いは、他人の式神を奪う事が出来るんや!!
 アンチラは頂くよ・・・・・」

 ボッ・・・・

「えっ!?
 ア、アンチラ・・・・・」

 鬼道に奪われたアンチラは、夜叉丸の剣に姿を変える。
 元々の攻撃方法が斬撃だからだろう。

「大丈夫や、死んだわけやないよ。
 アンチラは、僕と夜叉丸のものになってしもたんや」

「そ、そんな・・・・」

 式神ファイト、一回戦勝者、夜叉丸。
 で、保護者はというと

「真面目にやりなさい〜!
 次はとりかえすのよ〜!!」

「がっははははははっ!!
 その調子や!!
 さーどんどんいこう!
 気道家を復興させるでー!!」

 と、応援が忙しいようだ。
 勝負前と立場が変わってませんか?

「ふぇ・・・ひ、ひどいわー!!」

 ビュッ!!

 ビカラ、マコラ、ハイラの同時召喚を行なうが・・・・

「あまいよ・・・・・」

 ボンッ!!

「複数の式神を同時に使こうとると、霊波に隙が多くなるからね、一度にたくさんつかうのは逆効果やど。
 お得意の暴走も僕には通用せーへんよ」

 3匹の式神を吸収した夜叉丸は、また一段と強化された。
 今回の強化は、守備力UPだ。

「ビカラ〜マコラ〜ハイラ〜!!」

「いいぞ正樹!!
 ガンガンいけ!!」

「残り8匹・・・・・12匹全て貰うで!!」

「お母さま〜私、気分が悪いの〜。
 日を改めましょうよ〜」

 ・・・・・・ギブアップ?

「しっかりしなさい!!
 今プッツンしたらおしまいよ〜!!
 暴走の隙に1匹残らず取られちゃうんだから〜!!」

 つかつかつかつか・・・・・

「落ち着くのよっ、落ち着きなさい〜!!
 お母さまはそんな駄目な子に育てた覚えはありませんよ!!」

 ビスビス・・・・。

「ふえ〜〜〜〜ん!!
 覚えが無いのは〜お母さまの勝手だけど〜!!」

 正直な話、勝ち目無し?

「・・・・・・勝負あったわね。
 鬼道クンだっけ?
 今日はその辺にしてあげたら?
 4匹も手に入れたんだから大収穫じゃない」

 美神が見ても勝敗はあきらかだ。

「これは伝統ある式神使いの勝負や、他人は余計な口出しせんといてんか!
 12神将は六道家・・・・・いや、冥子はんには相応しくないとおもわへんか?
 ろくに使いこなされへん人間には、過ぎた玩具や。
 12神将は、僕に相応しいんや!!」

 冥子もだが、試合中に周りと会話する鬼道って緊張感が足りてない。

「特に彼女は、式神で他人に迷惑ばっかしかけている・・・・。
 しかも、全く修行もせん。
 こんなのが、式神12神将使いとは認めへん!!
 いや、認めたらあかんのや!!」

「ひど〜い!!
 令子ちゃん〜!!」

 鬼道のあまりの言いように令子に助力を期待するも

「まっ、そうかもね。
 式神が無ければ冥子だって・・・・・・」

 その期待は、見事裏切られた。

「僕はな、夜叉丸を使いこなす為、死ぬほど修行したんや。
 もう2度と、女なんかに負けたりせえへんのや!!
 その為だけに、つらい修行に耐えてきたんやっ!!」

 チクタクチクタク・・・・ポーン♪

「あ〜、私たち前にあったこと・・・・」

「そや!!
 やっと思い出したか!!」

「・・・・・全然記憶に無い〜」

 ・・・・・・・・ブチッ!!

「はっ・・・・はははははははっ!!
 あはははははははははっ!!
 ・・・・・とことんコケにしやがってー!!」

「きゃ〜〜〜!!」

 冥子に勝つ為に修行してきた鬼道。
 しかし、鬼道の事をすっかり忘れていた冥子。
 ・・・・・・・いや〜、鬼道君、キレちゃった♪

 バシュ!!

「インダラ!?」

 最初のアンチラと同じ様に、勝手に出てきて冥子を守るインダラ。

「ブヒヒィーン!!」

 パッカパッカ・・・・・

「インダラ〜そのまま振り落としなさい〜!!」

「落ちるな!!
 しがみつけ!!」

 応援に熱中する親達。
 そんな中、おキヌが鬼道に近づく。

「あの〜、一体何があったんですか?
 かなり怒ってるみたいなんですけど・・・・・・・」

 夜叉丸がインダラから落ちないよう制御しつつ、おキヌの問いに答え始める。

「あれは父さんについて初めてここへ来た時やった・・・・。
 父さんは何か大事な話をしてたんやけど、僕は余りにも暇やったんで、ここの庭を探検してた。
 その時、冥子はんと出会ったんや。
 冥子はんは、僕の事をマーくんって呼んでくれて、一緒に鬼ごっこもやった。
 まあ、12神将全て出され―」

「―うわっ・・・・・・。
 それでどうなったのかは聞かなくてもわかるわ」

 鬼道の言葉を、途中で遮る美神。
 そして、哀れみの目で鬼道を見つめた。
 しかし、スーパー鬼道君は一味違う。

「そんな事はどーでもいいや!!
 肝心なのは、その後何度かココに忍び込んで冥子はんに会いに来たにも関わらず、僕の事を全く覚えていないのはどうゆう事や!!
 僕はあれだけ君の事を想ってるのに!!」

 ズテッ!!

「恨んでるんじゃないの!?」

 頭痛がしてきた頭を抑える美神。
 その抑えてる頭の中では

(六道クンに続いて鬼道クンも?
 ・・・・・何かが激しく間違ってるわ!!)

 と、少々酷な事を考えていた。
 無論、冥子が鬼道の気持ちに気がつくはずは無い。

「以来、僕は平均的小学生の幸福を捨てて、父さんに言われるまま、死ぬほどの修行をしてきたんや!!
 12神将がいるから僕の事を見てくれないんや!!
 なら、12神将全て奪ってやる!!」

「正樹、目的が違うぞ!!
 父さんはそんな子に育てた覚えは無い!!
 父さんは、父さんは・・・・復讐の道具になるよう、立派に育てたつもりやぞ!!」

「何言ってんだおっさん!!」

 何処で育て方を間違えたんだ?と思いはじめた鬼道父に、即ツッコミを入れる横島。

「その為には、この馬も邪魔なんや!!」

「ブヒヒヒンッ!!」

 鬼道の捻じ曲がった想いが強かったのか、インダラの制御も奪いさった。

「イ、インダラちゃん〜!?」

「ブヒヒーン!!」

「きゃーーっ!!
 とられちゃった〜!!」

 バッバシュッ!!

 歩兵から騎兵にクラスチェンジし、機動力が大幅に上がった夜叉丸。
 その進攻を防ぐかのように、新たに2匹の式神、バサラとサンチラをだす。

「甘い、甘い!!」

 ズシャッ!!

 一薙ぎで2匹を倒し、また取りこむ。

「無駄や!!
 ここまできたら、どの式神を使っても夜叉丸には勝たれへん!!」

 バサラはマントに、サンチラは鞭に変わった。

「サンチラとバサラまで・・・・・こらマジでやばい!!」

「それは、どーかしらね!!」

 焦る横島に、何かを悟ってる美神。

「ヴ・・・ヴヴ・・・・・・」

「さー、あと5匹!!
 一気にいくでえ、夜叉丸!!」

「ヴッ、ヴヴヴヴーッ!!」

 夜叉丸の動きが止まる。

「と・・・止まった?」

「あんな式神を12匹も操るには、凄まじい霊力が必要よ。
 それに関しては、天才の家系、六道家にかなう人間なんかいやしないのよ!
 例え頭の中身があんなのでも・・・・・彼女は天才よ!!
 六道の者でない彼には・・・・7匹は多すぎるみたいね!(夜叉丸は除外して・・・)
 その証拠に、彼の式神の動きは止まってるわ・・・・。
 所詮秀才・・・・・幾ら努力しても天才にはかなわないのよ!」

 いい感じに、鬼道を見下してます。

「秀才?天才?
 だから如何した!!
 僕は・・・・僕は負けられないんや!!
 冥子はんに見てもらうために、12神将は邪魔なんや!!
 その為には、どんな事があっても負けられないんや!!
 せやろ父さん!」

「正樹・・・・・・。
 父さんの考えと違ってるが、六道家に勝てればそれでいい!!
 さあ逝け正樹!!」

 逝けって・・・・

「父さんは少し離れて応援する!!」

 すたたたたたたーーっ!!

 鬼道父も、夜叉丸が暴走すると思ったらしく、避難を開始する。

「ヴ・・・ヴヴヴ・・・・ッ!!」

 今だ動きの止まってる夜叉丸に歩み寄る。

「なあ、夜叉丸。
 僕は負けられへんのや。
 せやから、力かしてくれへんか?
 もう・・・・こいつらには負けんのや!!
 冥子はんの為に!!」

「あう〜〜。
 みんな〜戻っておいで〜!!」

 ここまで言いきる鬼道の気持ちは、本人には届いてなかったりする。
 その本人はというと、夜叉丸に捕われた12神将を、夜叉丸が止まってる隙に取り返せないかどうか画策していた。
SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送