旧姓横島・極楽大作戦!!
十三話


「そうか・・・わかってくれたんやな、夜叉丸」

「ヴヴ・・・ヴヴッ!!」

 夜叉丸は本当に鬼道の思い(執念)を理解したのか、鬼道とETゴッコやってます。

「残り5匹や、いくで夜叉丸!!」

「ヴォォォォォ!!」

 ダッ!!

「み、美神さん!!
 動き出しましたけど・・・・」

「んな馬鹿なっ!!」

 まっ、外野は無視して

「ああ〜〜んも〜、残りのコじゃ無理よ〜〜!!
 令子ちゃん〜助けて〜!!」

 残っている式神は、飛べるシンダラ、瞬間移動可能なメキラ、霊視能力を持つクビラ、治療役のショウトラ、火炎と石化のアジラ・・・・・・攻撃能力を持っているのは1匹だけ。

「嫌よ!!」

 援軍も期待できない。
 金を積めば何とかなるかもしれないが・・・・まあ、無理だろう。

「もう何をやっても無駄や!」

「メ、メキラちゃん〜!!」

「グルルルル・・・・!!」

 スカッ・・・・

「なっ!!
 テレポートやと・・・・・」

 メキラのテレポートで何とか夜叉丸の攻撃を回避する。

「令子ちゃん〜恐かったよ〜!」

「ち、ちょっと冥子、離れなさいよ!
 私を巻き込むんじゃないの!!
 これは、あなたの戦いでしょ!
 私は関係ないのよ!!」

 テレポート先は、美神の後ろで、既に抱きついている。
 美神は巻き込まれたくないので、冥子を引き剥がそうとしている。

「ほら、戻りなさいよ!!」

「れ、令子ちゃん〜・・・・」

 冥子を引き剥がし、自分に被害が来ない程度の場所へ移動させる。

「冥子はん、何も恐い事はないんや・・・・。
 ただな、邪魔な12神将をどうにかしたいんや」

「シンダラちゃん〜!!
 アジラちゃん〜!!」

 新たにシンダラとアジラを呼び出す。

「シュゥゥゥ・・・・・ッ!!」

 アジラを背に乗せ、夜叉丸の周りを飛び始めるシンダラ。

「カァーーーッ!!」

 ボッ・・・・ボッ・・・・ボッ・・・・!!

 アジラは夜叉丸に対し、火炎を放つ。

「ヴ・・・・・ッ!!」

「夜叉丸・・・・・耐えるんや!!」

 身を硬め、アジラの火炎に耐えつつシンダラを目で追う。

「お願い〜頑張って〜!!」

 追い詰められて少しは成長したのか、やっとまとに攻撃が出来た。

「カァ―」

「―みえたで、そこや!!」

「ヴォォォォォォォ!!」

 アジラの火炎攻撃のタイミングが一定の間隔であり、シンダラも夜叉丸の周りを移動しているだ。
 それにより、何とか場所を特定し左に持つ鞭(元サンチラ)で攻撃を加える。

 バシッ!!

「グッ!!」

 鞭はシンダラを、見事絡めとった。
 シンダラに乗っていたアジラは、急にシンダラが停止させられた勢いで、少し離れた場所に飛んでいった。

「まだや!!」

「オォォォォォォォォッ!!」

 バチバチバチ・・・・・・

 鞭から流れる電流に負け、シンダラも夜叉丸に取り込まれることとなる。

「あ〜〜っ!!
 シンダラちゃん〜」

 シンダラを取り込んだ夜叉丸の背に・・・・・・・・って取り込むというより、取り付けだ。
 シンダラは、夜叉丸の背中に引っ付いた。
 某アニメの「ぐれーと・ぶーすたーを射出してくれ!!」って感じに、見事ドッキングしてます。

「残り・・・・4匹や!!」

「ぎゃーっははははははっ!
 いいぞ正樹!!
 そのままやったれ!!」

「冥子〜もっとまじめにやりなさ〜い!!
 このままじゃ負けちゃうわよ〜!!」

「・・・・おばさま、もう駄目だって。
 残りの式神じゃ勝ち目無いわよ」

 鬼道の執念が凄いのか、夜叉丸の暴走の可能性は全く無い。
 ただし、鬼道が暴走しているが・・・・

(このままじゃ鬼道ちゃん所の子に負けちゃうわね〜。
 仕方が無いわ〜、使いたくなかったけど〜この手しかないわ〜。
 お願いだから〜私を恨まないでね〜)

 何か酷い事を考えてるようだが、気にしたら負けだ・・・・・たぶん。

(それに〜上手くいっても〜いかなくても〜この勝負は無効に出来そうだし〜)

 同じ事を言うが、気にするな。

「冥子〜!!
 お母さまが〜一つアドバイスしてあげるわよ〜!!」

「本当〜!!」

「本当よ〜!
 この紙に書いてある文章を〜大声で〜叫びなさい〜」

 シュッ!!

「わわわ〜〜っ!!」

 飛んできた紙を、冥子が一人で掴めるわけは無く、飛んでいった紙を追いかけ、地面に落ちた所を拾う。

「え〜と〜・・・・・」

 で、読み始める。

「ふっ、一体何が書かれてるかは知らんが、今更僕と夜叉丸の勝利が揺らぐ事はあらへん!!
 式神をださないのなら・・・・・・・・・無理矢理出させるまでや!!
 さあ行け、夜叉丸!!」

「ヴヴ・・ヴ・・!!」

 無理矢理・・・・式神使いに危険が迫った時、呼び出してもいない式神が勝手に出てくる事である。
 本日も数匹は、無理矢理出てきました。

 ダッ!!

 冥子に向って駆け出す。
 しかし、夜叉丸が近づくより、冥子が叫ぶ方が早かった。

「え〜と〜。
 忠夫ちゃん〜、この人が〜冥子をいじめるの〜!!」

 ガシッ!!

 冥子に迫っていた夜叉丸を何者かが掴む。

「・・・・・テメェ、冥に何してやがる!!」

 夜叉丸を止めたのは、遊園地に行ってたはずの六道だった。
 六道の後ろには、蛍とひのめもいる。

 ブゥン!!

 力任せに、夜叉丸を鬼道のいる辺りまで投げる。
 無論、お馬さんも一緒に・・・・・

「大丈夫っだった?
 怪我してな・・・・・・・」

「忠夫ちゃん〜ありがと〜」

 六道の言葉が途中で止まるが、冥子は全く気にしてない。
 六道が一瞬固まったのに気がついた蛍とひのめは

「ねぇ、もしかしてママ・・・・」

「うん、顔に少しだけ傷がついてるね・・・・」

「ねぇ、この状況を見る限り・・・・」

「うん、鬼道先生・・・・かな?」

「ねぇ、やっぱりこの後って・・・・」

「うん、お仕置きだよね・・・・・」

 ・・・・・・・・・・・

「「嫌ぁぁぁぁぁぁ!!」」

 ダダダダダだダダダダダッ・・・・・・・!!

 蛍とひのめ、2人そろってこの場から逃げ出した。

「・・・・・何あれ?」

「さあ」

「っていうか、いきなり現れたよね?」

「そーですね」

 2人の行動が、全く理解できてない美神とおキヌ。

(・・・・・2人が逃げたって事は、やばいのか?)

 何となくだが、ココから逃げ出した方が良いと思い始めている横島。

(じゃあ〜私はこれで〜)

 逃げ出した2人に続き、六道女史もこの場を離れる。

「冥、まだ昼過ぎだし、この後一緒に遊園地に行こうか?
 朝家を出るとき、冥も行きたそーな顔してたし」

「本当〜!!」

「ああ、本当だ。
 ここは俺が何とかするから、冥は行く準備をしておいで・・・・
 れーこちゃんも連れて行こうと思うから、一緒に連れて行っておいてね。
 ついでに、蛍とひのめにも声かけておいてね。
 あっ、式神も取り返しておくから心配しなくて良いよ」

「うん〜。
 じゃあ〜お願いね〜」

 と、何事も無かったかのように、れーこを連れてこの場を去っていく。
 顔についてた傷は、冥子に気づかれないよう、文珠を使って治した。

「さて、冥がいなくなった事だし・・・・・・・・・・お仕置きの時間だ」

 ビクッ!!

 六道は、微笑んでいるだけだ。
 ただそれだけなのに、六道以外の人達(幽霊も含む)は、動けないでいる。

「鬼道、お前は冥を傷つけた。
 よって、有罪。
 罰は・・・・・・」

「なんや・・・・なんや・・・・一体何なんや!!
 邪魔な12神将を、あと少しで取り込んでしまえたのに・・・・あんた誰や!!
 何で僕の邪魔をするんや!!」

 ダッ!!

 夜叉丸が剣を振るう。

 ガッ!!

 しかし、それより早く、夜叉丸の頭を掴み、その動きを止める。

「・・・・・アンチラ、ビカラ、マコラ、ハイラ、インダラ、バサラ、サンチラ、シンダラ。
 お前達は何をしている」

 ビクビクビクビク・・・・・・

 夜叉丸に取り込まれているはずなのに、元12神将と思われる部分が震えている。

「今回は、許してやるから・・・・・・・・・急いで冥のもとへ戻れ!!」

 バシュッ・・・・・・ダダダダダダダダッ!!

 六道の言葉を聞いた、元12神将の部分は、強引に夜叉丸から分離し、即冥子のもとへ逃げていった。

「さて、次は鬼道、お前だ」

 ・・・・・今の12神将の行動を見て、全ての人が固まる。
 12神将が脅えていたのだ、たった一人の人間に対し。

「つかまえた・・・・・」

 メリッ・・・・

「「「「「!!!!」」」」」

 鬼道の目の前に移動した六道は、自分の手を鬼道の体に潜りこませた。
 痛みは感じないらしく、鬼道も周りと同じ様に、唖然としている。

「・・・・でて来い」
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