旧姓横島・極楽大作戦!!
十五話


「やぁぁぁぁぁっ!!」

 キィン!!

 蛍が振るう、自分の身長と同じくらいの大剣の斬撃を、六道は刀で受け止める。

「はぁぁぁぁっ!!」

 大剣と刀で鍔迫り合いをしている中、ひのめは小太刀を逆手に突っ込むが

「きゃっ!!」

「わわっ!!」

 蛍の腕を掴み、ひのめに向け投げる。

「隙ありっ!!」

 少し離れていた横島は、今がチャンスと思ったのか霊波刀を大上段に構え、六道に突貫する。

「お前は馬鹿か!!
 闇の刃!!」

 ヴォン!!

「うそだぁぁぁぁぁぁ!!」

 横島が近づく前に、六道の闇の刃が横島に襲い掛かった。

 ボンッ!!

 今は修行中なので、闇の刃の性質は、斬撃波から衝撃波に変えてある。
 内容は実戦形式で、六道vs蛍・ひのめ・横島だ。

「・・・・・・・離れ過ぎだ」

 蛍とひのめの邪魔にならないよう、約10メートルは離れていた。
 その為、横島が近づくより、六道が闇の刃を放つ方が早かった。

「はぁ〜。
 横島、もう少し近くにいないと攻撃は届かないぞ・・・・・・お前の攻撃が。
 俺は遠距離も大丈夫だが、お前は近距離だけだろ、頭使え、頭を!!」

 今の横島の行動の問題点を指摘する。
 ソーサーを即座に作れるなら別だがな・・・、と付け加えたが、たぶん今の横島には無理な事だろう。

「何時でもいいぞ」

 くるっと蛍とひのめのいる方に向き直り、刀を構えなおす。

「じゃあ・・・・いくよ」

 ダッ!!

 ひのめ、蛍の順に駆け出す。

「紅蓮の炎よ!!
 ファイヤー・レーザー!!」

 ひのめは、六道に接近しつつ、その名の通りの炎の光線を牽制に放つ。
 六道はそれを横に動く事で回避する。

「降り注げ!!
 炎の矢!!」

 次は、ひのめの頭上に現れた火球から炎を纏った数多の矢が飛んでいく。

「はあぁぁっ!!」

 今度は動かずに、その場で全て叩き落す。
 最後の矢を叩き落すと同時に、ひのめが六道の目の前に現れ。

 キキキィ!!

 まずは胴を狙った突き、次に首へ払い、最後に腕。
 全て防がれ

「まだっ!!」

 更に踏み込み掌打、片足を軸に回転し裏拳。
 これもまた、防がれる。

「今よっ!!」

 ひのめの後ろから蛍が飛び出し

「やぁぁぁぁっ!!」

 大上段から振り下ろす。

 ドカッ!!

「かはっ・・・・」

 蛍の大剣が六道に当たるより、六道の蹴りが蛍に当たる方が早かった。

「蛍ちゃん!!」

 倒れはしなかったが、数歩後ろに下がった。

「余所見してる暇は無いぞ」

 ドカッ!!

「きゃっ!!」

 六道の回し蹴りを両腕で防ぐものの、威力に負け、少し下がってしまう。

「闇の衝撃!!」

 振り上げた腕から、ひのめに対し、黒い衝撃波が襲いかかる。

「弐連!!」

 振り上げた腕をそのまま振り下ろし、蛍にも黒い衝撃波が襲いかかる。

 ドオオオオン!!

「「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!」」

「ひのめちゃん!!
 蛍ちゃん!!」

 横島は、美少女2人の悲鳴により復活する、体力・気力・霊力満タンの状態で・・・・。
 六道は、復活を果たした横島を無視し、蛍とひのめが入ると思われる方に視線を向けている。
 煙が晴れ、大剣を薙ぎ払えるよう構えている蛍、小太刀を大上段に構えているひのめの姿が見えた。

「炎よ集え!!
 ソード・オブ・フレイム!!」

 小太刀の刀身に炎が集まり、小太刀からロングソードへと形が変わる。
 技名は「愛しのお兄ちゃんのハンズ・オブ・グローリー(栄光の手)をまねて、ソード・オブ・フレイム(炎の剣)に決定♪」との事。(ひのめ談)

「「はぁぁぁぁぁぁっ!!
  いくよ!!」」

 蛍の大剣がほのかな光を放ち、ひのめの剣の刀身の炎はゆらゆらと力強く燃え出す。

「閃光の・・・」
「灼熱の・・・」

「「刃ァァァァ!!!!」」

 ゴォォォォォ!!

 それぞれの武器から、片方は光り輝く、もう片方は炎を纏った、それぞれの技名に相応しい斬撃波が六道に向けて放たれた
 六道の使う刃系の技だと、漆黒の刃に相当する上位技だ。
 それぞれの下位技には、光の刃、炎の刃が存在する。

「はぁぁぁぁぁっ!!
 漆黒の刃!!」

 蛍とひのめの斬撃波を防ぐ為、六道も刃系の上位技、漆黒の刃を放つ。

「続けて、漆黒の衝撃!!」

 漆黒の刃を放った後、刀の柄から片方の手を放し、その放した手で漆黒の衝撃を、刃系と同じ様に闇の衝撃の数倍の威力を持つ衝撃波が放たれた。

 ゴォォォォォォォ!!

 トッ

 更に、漆黒の刃と衝撃の後を追うように駆け出す。

 キィィィィィィィィン!!

 閃光の刃と漆黒の刃が、灼熱の刃と漆黒の衝撃が、それぞれ相殺しあう。
 その間を駆け抜け2人に近接戦闘を仕掛ける。

「はっ!!」

 六道の斬撃をひのめが受け止め、蛍の斬撃を六道が受け止める。

 キキキキキキキキィ!!

 2対1の斬りあいなのだが、それでも蛍・ひのめペアの方が押されている。
 始めは片方が守り、もう片方が攻撃、時に2人で守り、2人で攻撃していたのだが、時間が経つにつれ、2人で守る回数が増えてきた。
 少し離れた場所にいる横島は、この様子を見てビビっていた。

「おい・・・あんな戦いに俺が混じらなければいけないのか?
 絶対に無理!!
 誰が何と言おうと無理!!」

 既に無理だと悟ったらしい。
 しかし、頑張って六道の攻撃を防いでいる2人の美少女をみて。

(う〜ん、でも俺がかっこよくあの2人を助ける事が出来れば・・・・・ムフフフフッ!!
 2人して俺に惚れるかもしれん!!
 何たって、俺とあいつは同じなんだから!!
 そして、俺はあの2人の“パパ”でもなければ“お兄ちゃん”でも無い、何も問題ないはずだ!!)

「よぉぉぉぉし!!
 いっちょ気合入れてやってやる!!」

 何か凄く邪な事を考えているようだが、戦闘力が上がっているようなので、無視しておこう。

 ドドドドドドドドドドッ!!

「オラオラオラオラッ、横島様のお通りだ!!」

 霊波刀をぶんぶん振り回しながら、六道の背後に向け、走り出す。
 六道との距離が近づいていくと、振り回していた霊波刀を大上段に構えた。

「ふはははははははっ!!
 このスーパーでウルトラな新必殺技を喰らえ!!」

 新必殺技、それは横島が自ら編み出した、横島・フィールドに続く第2の必殺技だ。

「必殺!!
 よ〜こ〜し〜ま〜・アタァァァァック!!!!」

 ヴォン!!

 横島アタックとは、霊波刀に過剰の霊力を加え飽和状態にし、振り下ろす。
 振り下ろした霊波刀から、過剰に加えていた霊力を周りに放出する。
 ある18禁ゲームの主人公が使う技を、気の概念を霊力に置き換えただけのパクリ技である、名前もそのままパクってるし・・・・。

「ちぃ」

 刀の柄から片手を放し文珠『盾』を横島の攻撃に対し使う。
 その一連の動作中も蛍・ひのめへの攻撃の手を緩めていない。

 キィィィィィィィィィィ・・・・・・・・・・

「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」

 パリンッ!!

 横島・アタックに耐え切れず、『盾』が壊れた。

「やった!!」

 横島は『盾』を壊した事で上機嫌になり、気を抜いてしまっていた。
 六道はそれを見逃さず・・・・

 ニヤリ

 『転』『移』

「「「えっ!?」」」

 横島は、六道が消えた事に驚き、六道の攻撃を防いでた2人は目の前の光景に驚く。
 横島は気がついていない、横島・アタックが健在な事に・・・・・。

「「いやぁぁぁぁぁぁぁ!!」」

「えっ!?
 どうしたの?」

 結果

 チュドォォォォォォォン!!

「ほ〜、単純な技だが、結構いい威力だな。
 いや、単純だからこそかな・・・・」

 六道は1人離れて横島・アタックの威力を観察していた。

「ひ、酷いよパパ」

「お兄ちゃん・・・・・あんまりだよ」

「俺か、俺のせいか?」

 横島・アタックの餌食になった3人は床に倒れている。
 プスプスと煙がでているのは御愛嬌ってとこだね。

「横島、最後まで気をぬくな。
 『盾』を壊したのは褒めれるが、その後が駄目だ」

 倒れている3人に、今回の反省点等を指摘していく。

 ピクッ・・・・

「ん!?
 冥か?」

 冥子の姿は何処にも見えないのだが、もう少しでここに来るらしい。
 たぶん、六道には冥子ちゃんレーダーが標準装備されているのだろう。
 六道曰く「これも愛のなせる技、俺の冥を思う気持ちだ」・・・・・にあわねぇ。

 ビクッ!!

「なっ!!!!
 ・・・・・・・蛍、ひのめ、横島、後は頼んぞ」

 『転』『移』

 冥子がここに来るはずなのに、1人この場から逃げ出してしまった。
 この行動を見て、彼の娘と、その親友は

(ま、まさか・・・・・)

(冥子姉さん・・・・・何か作ったの?)

((いやぁぁぁぁぁぁぁ!!
  パパ(お兄ちゃん)、私も連れてってよ!!))

「どうしたんだ?」

 六道が消えて数秒後、冥子が現れた。

「忠夫ちゃん〜、冥子ね〜クッキー作ったの〜(はあと)
 食べて〜食べて〜」

 シュンッ!!

「男横島、ありがたく食べさせて頂きます!!」

 冥子と、その手作りクッキーが目に入った瞬間、横島は冥子の目の前まで移動していた。
 超加速でも使ったのか!!と、ツッコミが入れれる位に速かった。

(無知って)

(不幸だよね)

((でも))

((私も食べなきゃ駄目なんだよね・・・・))

 六道がいない事で、がっかりした冥子だが、気を取り直して横島にクッキーを手渡す。
 横島は、クッキーを手渡しで受け取ったにも関わらず、六道の蹴りが飛んでこなかったので、嬉々としてクッキーを食べ始めた。
 結果。

「ギャァァァァァァァァァァァァァ!!!!」

 謎の雄叫びが、六道家の庭に響く・・・・・。
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