旧姓横島・極楽大作戦!!
六道さんち 03話


『アキトさん、索敵終了しました。
 データを其方に転送します』

 敵の情報が、視界に入り、且つ邪魔にならない場所に表示される。

「ありがとう、ルリちゃん」

『いえ・・・・』

 敵は・・・・・?
 何だ、街の一部に敵が集中している、ナデシコ以外に何かあるのか?

「いや、ここにはナデシコ以外、奴らの気をひくような物は無いはずだ。
 なら、直接確認すればいいだけだ・・・・・」

 エステの速度を更に上げ、バッタが集中している場所を目指す。

「邪魔だ!!」

 ドドドドドドドドッ!!

 手に持ったライフルで敵を掃射する。
 多少手を抜き、命中率を落す。
 確実に当てても良いのだが、それでは怪しまれる。
 今の俺は、初めてエステに乗っていて、戦闘も初めて・・・・・・のはずだ。

「そこっ!!」

 ワイヤード・フィストで一体を確実に落す。

 シュボボボボボボッ!!

 バッタがエステに対しミサイルを撃って来た。
 しかも、かなりの数だ。

「これでっ!!」

 ドドドドドドドドドッ!!

 ライフルを乱射しミサイルを破壊する。
 更に、先程倒したバッタを掴み、破壊できなかったミサイルにぶつけ、破壊する。

「あのビルの向こうか・・・・」

 最初に見たときより敵の数が減っている、一体何が起きてるんだ!!

「なっ!?」

 馬鹿な・・・・・。
 俺は自分の目を疑った。
 人間が、1人の男が多数のバッタと戦っていた、見たことも無い武器を使いながら・・・・黒いビーム?
 だが、幾らバッタが相手とはいえ、人間1人で多数を相手に出来るわけが無い。
 俺や北辰でも無理だ!!




「闇の刃!!」

 ザシュッ!!

 俺の放つ刃が、一体のロボを斬る。

「斬っても斬っても数が減った気がしない。
 一体何体いるんだ!!」

 こっちに来る位なら、頭の固いお偉いさん達の自宅でも壊してろ!!

「ん!?
 何だ、あのピンクのロボは、新手か?」

 ビルの横から出てきたピンクのロボ。
 丸っこいロボ達とは違い、人型っぽい。
 出てきたのだが、動いてないぞ。

「故障か?」

 突進してきた丸っこいロボを避け、すれ違いざまに斬る。

 ボンッ!!

 俺の愛刀だけあって、いい切れ味してる。
 それにしても、いい加減、数減らないかな・・・・・。

「あ〜〜っもう!!
 まとめて薙ぎ払ってやる!!
 喰らえ、漆黒の刃!!」

 闇の刃の上位技。
 その斬撃破は、闇の刃より大きく、威力も高い。
 それが、固まっていた敵達を切り裂く。

「これで少しは減ったか・・・・」

 漆黒の刃で10体近く破壊出来たはずなのに余り変わってない。
 一体何処から沸いてくるんだ?

「はっ!!
 もしかして、1体いたら30体はいるって言うんじゃないだろうな!!」

『違う!!』

 ・・・・・・ん?
 今のってピンクのロボからだよな?




 一体こいつは何者だろう。
 昔の俺のような格好しているが・・・・・。

「ふぅ、予定外の出来事もあったが、任務達成かな」

 バッタを黒っぽい何か(通称ごっきー)と勘違いした男をエステの掌に乗せ、ナデシコの出現地点まで囮を再開し、ナデシコによってバッタを殲滅。
 で、今は格納庫に戻ってきた。

「君がこのロボのパイロットか?」

「ああ」

「斬っても斬っても沸いてきたから対処に困ってたんだ。
 ありがとう、助かった」

 黒っぽい見た目とは違い、結構礼儀正しいな。

「いや、気にしないでくれ。
 ところで、あなたの名前は?
 俺はテンカワ・アキト」

「六道忠夫だ」

「六道さん、何であんな場所にいたんだ?
 避難警報は鳴ってたと思うが」

「何であの場所にいたのかは俺にもわからん。
 あと、警告はでてたが何処に行けばいいのか知らんから無理だ」

「わからないって?」

「・・・・・まっ、言ってもいいか。
 空間が歪んで、それに巻き込まれたんだ。」

「空間が?」

「ああ、それの調査にきたんだが・・・・」

「原因はわかるのか」

「たぶん何者かが空間ごと時間移動したんだろう。
 しかも無理矢理」

 ・・・・・・・・時間移動って、俺か?

「何で時間移動なんだ?」

 俺が原因ではありませんように・・・・。

「どうやらここは、俺にとっては未来らしい。
 俺がいた時代には丸っこいロボが襲ってきたり、人型のロボも存在してない」

 ・・・・・やっぱり、俺のポソンジャンプが原因?

「まっ、時間移動くらい簡単に出来るからいいけどな」

 出来るのか、んな簡単に!?

『アキトさん、救出した民間人の方と話をしている所悪いのですが、ブリッジまであがって来てもらえませんか』

「わかった、すぐ行くよ」

 六道さんは過去から来たって言ってたし、急に画面が出てきたから驚いてるみたいだな。




「いやはや、バッタを生身で倒すとはお強いですね。
 あっ、因みに私はこのような者です」

「プロスペクター?」

「はい。
 まあ、芸名のようなものです。
 失礼ですが、あなたのお名前は?」

「六道忠夫だ。
 六道でも、忠夫でも、好きなように呼んでくれ」

 この、六道さんって、アキトさんに似てますね・・・・・服装が。
 趣味でしょうか?

「でわ六道さん、あなたはあの場所で何をやってらしたんですか?
 避難警告は出てたはずですよ」

 キランッ!

 ・・・・・プロスさん、そのメガネって特注ですか?
 光ってますよ。

「迷子だ」

 ・・・・・・・・・・・・・へっ?
 今、迷子って言いましたか・・・・マジ?

「まっ、迷子でしたか・・・・・これは一本取られました」

「事実だから仕方の無い事だ」

 ・・・・・大人って、よくわかりません。

「ところで、最近の戦艦には君のような子もいるのか?」

 ん、私の事ですか?

「最近の事情は良くわかりませんが、普通の戦艦にはいないと思います」

「大変だな。
 俺の娘と同じ位なのに、もう働いているのか・・・・」

 へぇ〜、私と同じくらいの娘さんがいらっしゃるんですか・・・・・・・って娘!?

「六道さんっていくつですか?
 まだ若いように見えますけど・・・・・」

 20代前半ですかね?
 って事にすると、私が11才ですから・・・・10代前半の時の子供?

「俺か?
 30才だけど」

「「「「ええっ!!」」」」

 わ、若いですね・・・・。

「そんなに驚かなくていいと思うのだが・・・・。
 あっ、話は変わるが、ここら辺の名物って何がある?
 お土産を買おうと思っているのだが、何を買えばいいのかわからん」

「お、お土産ですか?」

「ああ、何処かに行った時は、必ずお土産を買うことにしているんだ」

 キラン!!

 だから光ってますよ、メガネが!!

「お土産なら、ネルガル特製ナデシコ饅頭はいかかですか?
 世界ひろしと言えど、このナデシコ内でしか販売しておりません!!
 是非、この機会にお買いになられてはいかがですか?」

 ・・・・・・・ナデシコ饅頭?
 んなもんありましたか?
 って言うか、何処から出したんですか!!

「じゃあ、それを買っていくか」

 買うんですか!?

「・・・・・・・財布が無い」

 財布を捜していた六道さんの手には1枚の紙。
 え〜っと「絵本買ってくるから財布貸してね  冥子」、お子さんですか?

「う〜ん、冥が持っていったのか・・・・・仕方がない。
 プロスペクターさん、残念ですがお土産は諦めます」

「おや、それは残念ですね」

 ナデシコ饅頭を懐に仕舞うプロスさん。
 って、何処に仕舞ってるんですか!!

「俺が代わりにお金出しましょうか?」

「いのかい、アキト君?」

「ええ、気にしないで下さい。
 困った時はお互い様ですよ」

 ・・・・・アキトさん、何かマズイ事あったんですか?
 顔に出てますけど。

「では、テンカワさんのお給料から引いておきますね」

 で、懐からだしたナデシコ饅頭を六道さんに渡す。
 ・・・・もう何も言いません、疲れました。

「アキト君、代わりと言ってはなんだが、これを貰ってくれないか」

 ネックレス、ですか?

「いや、いいですよ。
 よくわかりませんが、結構高いんじゃないんですか?
 なんか、不思議な感じがしますし」

「全然高くないよ、俺が創った奴だし・・・・」

 創った?
 作るの間違いですかね。

「それなら頂きます」

 中々のデザインでしたし、私も一つ欲しいですね。
 無論、アキトさんとお揃いで・・・・

「ん?
 君も欲しいの?」

 えっ!?
 顔に出してましたか?

「この手を良くみててごらん」

 私の目の前に、何も持ってない手を見せ、閉じる。

「アキト君と同じデザインでいいよね?」

 ゆっくりと、閉じた手を開く。

「はい」

 開いた手には、アキトさんと同じデザインのネックレスがあった。
 手品でしょうか?

「あ、ありがとうございます」

「じゃ、そろそろ帰るとしますか。
 アキト君、お土産の代金ありがとね。
 あと、君とこの子にあげた奴だけど、大事にしてね」

 どうやって帰るのでしょう。
 ナデシコは海の上なのに・・・・。

 キュィィィィィィン!!

「えっ!!」

 ポソン・・・・ジャンプ?

「なっ!!
 六道は何処に消えた!!」

 ゴートさん、やっと喋れましたね。

「彼をスカウトしたかったですな」

 キラン!!

 ・・・・・もう疲れました。

「ホント簡単に帰っちゃったよ」

 アキトさんはわかってるんでしょうか?
 まっ、とりあえず最後に・・・・・・

「私少女ですから、大人のやることってわかりません」

 ・・・・・・・私も何言ってるかわかりません。
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